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三菱ふそうは大型トラック「 スーパーグレート 」に高速路線向け超低燃費型セミトラクタを追加した。
このセミトラクタは、 まったく新しいコンセプトに基づき開発した高圧燃焼型 6M70T5 エンジンに低燃費型のドライブラインを組合わせた、
低燃費志向の FP−R セミトラクタである。 今回は、 この長距離高速走行を主体に開発された提案型セミトラクタの試乗の印象を紹介しょう。
2000 年という大きな時代の節目に三菱ふそうはビッグな車種追加をした。 「 スーパーグレート 」 FP-R セミトラクタである。 すぐれた経済性能と使いやすさを両立した、 まさに高速路線向けにふさわしいもので、 高速走行の機会の多いユーザーが長年待っていたもので、 高速走行燃費の向上を図った、 今回のセミトラクタの出現は三菱ふそうのユーザーへの提案型車種ともいえる。
積んで走るのが仕事のトラクタにとって燃費を考える時に大切なのは、 その燃費 ・ コストでどれだけ走るか、 つまり、 仕事をしたかである。
一般的に輸送のコスト ・ 経費には、 人件費や車両の減価償却といった固定費のほかに、 運行三費と呼ばれる経費が生じる、 これは車両を走らせるたびにかかる経費だが、 その中で最も大きな割合を占めているのが燃料費。 これを 1% のわずかな改善でも全体としては大きな効果になる。
しかも、 燃料費は道路の通行料などと違って工夫次第では安上がりにもできる。 また、 仕事の質を維持しながらコストを下げる手段として、 いま燃費への関心が高まっている。
燃費に良い運転は燃料費が減るのだけがメリットとはいえない。 燃費を考えて走ると車両の負担が和らぐため、 部品の消耗が減って寿命が延びる。 また、 運転にも余裕が生じるので安全運転にもつながる。 もちろん、 使う燃料が少なくなるので排出ガスも減少し、 環境にもやさしいエコロジーな運転となる。 つまり、 省燃費にはテクニックが必要とされる高度な運転でありながら安全で環境への負担も少ない。 また、 トライバーにとっても誇れるものなのだ。
省燃費への各メーカーの対応は社運をかけるものがある。 三菱ふそうが低燃費車両への提案として挙げれば枚挙にいとまがないが、 最近では、 ’95 年の短期排出ガス規制の時に 6D40 系エンジンにドライブラインの見直しと空力特性の良いキャブを採用したことで約 2% ほどの向上を図っている。 さらに、 ’96 年にはフルモデルチェンジの時には各機能の見直しと転がり抵抗の良いタイヤなどの採用で約 5% の燃費改善を果している。
また、 今年の’00 年型では長期排出ガス規制の適合と環境対応と共に省燃費、 省資源を配慮した技術に、 MIQCS 燃焼、 コモンレールシステム、 EGR システムなどの最新ディーゼルエンジン技術を駆使した、 6M70 系エンジンなどの約 2% の燃費向上をするなど着実に低燃費のブランドイメージを果してきた。
しかし、 今回は更に徹底した燃費改善をコンセプトにした FP-R セミトラクタが追加された。 その車両は、 とくに燃費に関心の高い長距離高速路線ユーザーを対象とした、 新しいエンジン、 パワープラントを採用した高速路線向けの低燃費セミトラクタを設定した。

写真は 6M70(T5) エンジン
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では、 低燃費を実現したメカニズムを見ることにしよう。 まず、 トラクタ用のエンジンとしては従来に見られない発想の高圧燃焼方式を採用した 6M70T5 エンジンを新規に開発した。 このエンジンは、 ’00 年モデルのスーパーグレートに搭載された 6M70T4 エンジンをベースにしたもので、 ターボの過給率を決める吸入空気量と燃料の噴射量、 さらに噴射圧を増やして高圧で燃焼させることで、最大出力を 410PS 、 最大トルク 220kgf-m のハイパワーで高効率なエンジン性能を実現している。
さらに、 低回転領域のトルク幅が広がったことによって、 低燃費型のドライブラインの組合わせが可能となり、 理想的な低燃費を実現している。
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光の反射を抑えた防眩メーター、 優れた視認性を実現
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低燃費型ドライブラインには、 新たに開発された、 0D9 段トランスミッションと電子制御機械式 AT 、( INOMAT )が挙げられる。
この INOMAT( Intelligent & Innoretive Mechanical Automatio Transmission )はすでに市場に出て、 高い評価を得ているものであるが、 ここで簡単に紹介するとしよう。
INOMAT の特徴は、 トルコン式 AT の持つイージードライブ性能と、 伝達効率に優れるマニュアルトランスミッションの走行燃費の良さを両立させたもので、 これにファジィ制御を採用することでドライバーの意志を反映できるようにしたものである。
つまり、 発進時のクラッチ操作を残してはいるが、 フィーリングの向上と、 燃費の良いシフトのプログラムを与えることで INOMAT の魅力をコスト面でも考慮している。 そのため、 INOMAT は加速を比較的ゆっくり行ない、 徹底してタコメーターのグリーンゾーン付近で走るようなシフトプログラムを基準にしているのだ。 ただし、 ドライバーの操作によって加速性を重視した走りも可能なように、 ファジイ制御で味付けしている。 この基準となるシフトプログラムは、 メーカーの熟練ドライバーの運転を基にエンジン効率の良い回転域を使うようにしてある。
このような、 イージードライブと低燃費の両立が、 昨今のユーザーの燃費への関心の高まりもあって省燃費車として注目されているのだ。
 
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さて、 紹介が長くなったが、 この定評ある INOMAT に OD9 段トランスミッションが新規に加わった。 このトランスミッションは、 すでに FV-R 系に採用されている 16 段トランスミッションの LO の部分( 13.298 〜 1.000 )を採用し、 さらに OD として 0.878 を加えて、 OD9 段としている。
さて、 今回の低燃費を実現するうえで重要なポイントに低ファイナルギャを上げないわけにはいかない。 従来、 三菱ふそうのセミトラクタのファイナルギャには 4 タイプあった。 FV 系には 6.666 と 5.142 、 FP 、 FT 系には 3.454 と 3.307 である。
しかし、 今回は低燃費がトライブラインとして新規に低ファイナルギャの 2.733 を開発し、採用している。
このドライブラインによって低燃費と動力性能のバランスを図っているのだ。 つまり、 超低燃費高速セミトラクタは、 新しい発想の中から生まれた従来にないメカニズムによって成立しているのだ。
6M70T5 エンジンの特長である低回転域の燃費の良い領域を利用し、 電子制御による最適な自動変更によってスムーズに動力を伝達する OD9 段 INOMAT に、 さらに低ファイナルギャと徹底したドライブラインの見直しから実現したのである。
また、 そのような技術の信頼性と安全性、 耐久性を維持するために細部の設計の見直しも行っている。
たとえば、 トルクを上げるため、 運動系の部品の変更である。 エンジン内部にはFRMピストンを採用し、 コンロットやクランクシャフトを強化している。 さらに、 最高段を 8 段に固定する OD オフモードスイッチを設けて牽引力を重視した走行も選択を可能にしており、 登坂時などの走行フィーリングに配慮している。
メーカーによると、 この車両は高速道路をよく利用するユーザー向けで、 平均運行距離が長いユーザー層をターゲットにしており、 従来車に対して約 10% の燃費低減など、 ランニングコストの低減を実現したもので、 高速道路の走行比率が 60% を超えるユーザーでより確実な燃費低減が期待できるというものだ。
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高速走行時の低燃費性能をきわめた新開発セミトラクタ
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試乗車として三菱自動車喜連川試験所に用意されてあったのは、 今回の主役となる、 高速路線向け超低燃費セミトラクタ FP-R 、 車両形式が KFLP50JDR5 で、 従来車と識別する場合に末尾の 5 が識別記号である。
GVW40 トンでトレーラには 5 トンのコンクリートブロックが 5 個搭載され、 車両側と合わせて 40 トンに設定されてあった。 第 5 輪荷重は 11.5 トン、 エンジンは 6M70T5 の 410PS 、 最大トルク 220kgf-m 、 OHC4 弁の 12.8l エンジンである。 また、 タイヤ、 ブレーキは従来の FP-R のものと同じもので、 タイヤが前後とも空気式リーディングトレーニング式、 補助ブレーキにパワータードが設定されている。
デザイン的にはエクステリア、 インテリアとも従来のものと変わらない。 ドアの閉まり具合はしっかりした感覚で硬性感と感触の良さががある。 シートのポジションを固定してスターティングキーを回すと、 6M70T5 エンジンはユルユルと回転をはじめる、 しっかりとアシストされたクラッチペタルを踏み込んで INOMAT のシフトレバーを D レンジに設定し、 クラッチペタルから緩やかに足を離す( ここではアクセルペタルに足を載せるだけで良い )と軽い駆動抵抗の後、 車両はゆっくりと動き出す。 後は、 そのままアクセルを踏んで駆動力を増していけば、 25 トンのロードもなんのその、 車両は確実に前進していく。
この車両トランスミッションは前進 8 段だがシフトパターンは、 いたってシンプルなゲートの切り方をしている。 ドライバー側からみて右側が INOMAT モードで、 上からリバース、 ニュートラル、 ドライブの 3 パターン。 左側はマニュアルモードで + にシフトアップーにシフトダウン中間域にホールドポジションがあり、 INOMAT モードのドライブレンジと繋がる。 さらに、 OD オフモードスイッチによって、 アップダウンの続く坂道でも 8 段ホールドにすることで、 すぐれた運転フィーリングが確保できる。
テストフィルドは、 ほぼフラットな状態であり D レンジで十分に間に合う。 また、 交通の流れや道路状況によってマニュアルモードで増減速の選択ができる。 ギヤの使用段はメータークラスターのタコメーター下側にウオニングによって常時確認できるのでドライバーは何の戸惑うこともない。
ステアリングも、 ただ軽いだけではなく操舵感がしっかり感じられ、 へたな乗用車を凌ぐセッティングの良さがある。
慣れるにしたがって、 エンジンの性能を体感できるようになってきた。 この 6M70T5 エンジンは、 12.8l の本格的高圧燃焼方式を採用しているだけに、 トルクの太さが印象的だ。
テストフィルドでも、 ちょっとアクセルを深く踏み込んでやると、 800rpm で 80H/h が出てしまう、 しかもミッションの使用段は 8 段の範囲にとどまっている。 驚くほどの低回転域だ。
そのまま 100H/ h まで速度を上げていくと 1200rpm に到達してしまった。 従来車なら 1800rpm くらい回してやらないと得られない速度だ。
三菱自動車の資料によると発進加速( 0 〜 200m )で 6D40T3 に比較して 1.8 秒、 追越加速で( 70〜90H/h )で 7.2 秒早いと説明されている。 確かに早い、 とくにターボチャージャーが効きだすあたりからタコメーターのグリーンゾーン( 800rpm )の前半ではエンジン回転も一段と快調な音を出していて、 後に積んだロードの25トンなど忘れてしまうほど。 いかにもスタビリティの高そうな走りを見せてくれる。 もはや、 はじめて運転した車なのに不安なことはまるでなかった。 こうした気分にさせる要因に、 ブレーキの性能が影響していることも確かだ。 とくにトレーラではブレーキング時に後部の荷重によって押し出されるような不安定感が出ることがあるが、 この車両は常に安定した効きをみせてくれた。 しかもブレーキのバランスが良い。

優れた減速効果が得られる、 流体式リターダ R115HR
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三菱独自のパワータードとドイツ VOITH 製のリターダ R115HR という大容量のブレーキトルク力をもつリターダの効果が大きいことも特筆したい。 また、 この R115HR は FV-R セミトレーラにも設定されており、 とくに保持時間の長いことで定評あるシステムだ。
最後に、 クローズド状態のテストフィルドでは、 車自体に触れられても一般の交通環境の中で、 どのように使われ、 どのくらいの性能なのかわかりにくい点もあるが、 低速トルクに余裕があり、 低回転域が十分に使える分、 シフトアップのタイミングも早く、 しかも回転数が低いため騒音値がかなり低い、 この状況なら 10% の燃費低減は十分に可能だ。
実のところ、 この車両に乗るまでは、 その明確なコンセプトにトレードオフされて犠牲になっている部分はないのか、 あるいは超低燃費にこだわりすぎて、 ファイナルギヤが浅くなっている分ドライビリティが悪くなつてはいないかなど心配したが、 そのようなことは、 まったく感じられなかった。 むしろ、 新しいトラクタの世界を垣間見る思いであった。

従来のフルエアブレーキと異なる構造をもつ三菱ウェッジブレーキチャンバー
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多機能フルアジャスタブルシート
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ハイコントロールバルブレバー
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■スーパーグレート主要諸元
超低燃費 高速セミトラクタ ( 新高圧燃焼型 ENG )
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| 車両型式 | KL−FP50JDR5 |
| 駆動方式 | 4×2(後1軸駆動) |
| 許容GCW | 40トン |
| 寸法・ 全 長 (mm) | 5,600 |
| 全 幅 (mm) | 2,490 |
| 全 高 (mm) | 2,905 |
| ホイールベース (mm) | 3,160 |
| トレッド 前 (mm) | 2,050 |
| 後 (mm) | 1,845 |
| 最低地上高 (mm) | 240 |
| 重量・ 車両重量 (kg) | 6,270 |
| 乗車定員 (人) | 2 |
| 車両総重量 (kg) | 15,880 |
| 性能・最小回転半径 (m) | 5.2 |
| エンジン | L6インタークーラターボ |
| エンジン型式 | 6M70T5 |
| 総排気量 ( ・ ) | 12.882 |
| シリンダー配列・内径×工程 (mm) | 直6−135×150 |
| 動弁機構 | OHC4弁 |
| 圧縮比 | 17.5 |
| 最高出力 (kW(PS)/rpm) | 302(410)/2,200 |
| 最大トルク (N-m(kgf-m)/rpm) | 2,160(220)/1,200 |
| 平均有効圧 Pme(Mpa) | 2.2(2.0以上は国内初) |
| クラッチ | 油圧、空気併用式乾燥複板 ダイヤアラムスプリング式 |
| トランスミッション (1st/top ) | 直結9段(13.298/0.878) ファジィ制御機械式オートマチック トランスミッション(INOMAT)
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| ファイナルギヤ比 | 2.733 |
| ステアリング | 車速感応型パワーステアリング |
| タイヤ 前 | 295/80R22.5 |
| 後 | 11R22.5−16PR |
| ブレーキ | ウェッジ式フルエアブレーキ オートアジャスタ機構付き |
| 駐車ブレーキ | ホイールパーク:空気式車輪制動形 スプリングブレーキ |
| 補助ブレーキ | パワータードブレーキ |
| サスペンション 前/後 | ロングスパンロングテーパリーフ |
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